バルセロナチェア


バルセロナチェアが、欲しくて欲しくて、いま、事務所の応接で使っています。

(事務所内の紹介は、こちら。ちなみに吹き抜け・オール電化床暖房住宅 …デザイン注文住宅(実務偏)の竣工写真でも使っています。)

右の写真の白いのがそれ。巨匠建築家ミース・ファン・デル・ローエが、1915年のバルセロナ博覧会で、バルセロナ・パビリオンを設計し、その際スペイン国王をお招きするためにデザインされた椅子。そのためか、椅子の王様って言われています。って言うのは、建築家の常識。

ところで、感じは、幅ががったっぷりあって、確かにリッチネス。
ミースがデザインした椅子で、共通なのですが。ドイツ人やスペイン人にサイズを合わせたせいか、座面が高く、日本人にとっては、もてあまし気味。この椅子に関しても、座面は低いが、座の先端が高く、やっぱり、かかとがちょっぴり浮く感じになります。

はじめに、出会ったは、前職の堀池研究所で、応接室に置いてありました。僕が駆け出しのころ、ちょっと暇だった時期があって、事務所内の備品を、全部リスト化し、整理させられたことがありました。堀池秀人先生、一流後好みで、有名な椅子が、結構ぞっくりそろっていたんですね。
当時は、そんなデザイナー椅子ほとんど、普通の人は、お目にかかれなかった。いまでこそ、外資系の企業が、日本にも多くなって、デザイナー椅子も多く使われるようになったと思いますが・・。
この椅子、そんなデザイナー椅子の中でも、値段も飛びぬけてダントツno1です。やっぱり椅子の多さまですね。外資系の企業の応接では、この椅子がしっかり置かれているのを良く見かけます。

で、本物は、ノル社製で、こちら、Knoll(ノール) Barcelona Chair(バルセロナチェア) 約82~89
万円。

何で、そんなに高いのですか、というと。簡単です。ディティールの手が込んでいるからです。そのディティールも絶妙と、インテリアウォッチング(押野見邦英著)で解説されている。かいつまんでまとめると。
フラットバーでx状の溶接。これが難しい。コルビジェや、ブロイヤーはパイプです。それで、ゆがみの修正もあり、今でも熟練工の手に頼るしかない。

  1. クッションは、フラットバーに着かず離れずの絶妙の位置にあるが、これを見せるために、フラットバーにレザースタラップを、座に9本背に8本取り付け。
  2. レザースタラップの両端は、2本のビスで固定され。両端で4箇所で、17本だと68本の精密なビス止め。
  3. また、フラットバーは、背と座の短部のみにあるように見えるが、これでは持たないので、背のx溶接部分にフラットバーが仕組まれており、このフラットバーがが背と座のスターラップで隠されているので絶妙のディティールだという。
  4. クッションは、座面で、20枚のレザーを縫い合わせてあり、裏側も同様に、20枚のレザーを縫い合わせている。背も同様であるから、計80枚の縫い合わせ。

と、言うことで。納得です。
ところで、こんな値段が高くては、手が出ないので、今は、リプロダクト製品があって、安く買える。価格帯もさまざま。(2011/11/20日のリンク)


実は、僕の応接も、上のメーカーよりもっと安い中国製リプロダクト製品です。やっぱり、ノル本物とは、違うんでです。

  1. フラットバーの精度がなく、片方の椅子は、4脚が完全に接しない。
  2. また、フラットバー短部が水平でなく、床に傷つきやすい。
  3. レザーの肌触りにマット感がない。
  4. クッションが、ウレタンなので、レザースタラップに、微妙になじむ感じが出ない。
  5. また、クッションの外形もモッテリしている。
  6. なんと、クッションの裏側は、一枚張り。

ということなのです。本物を見ていたから、すぐわかっちゃうのです。
でも、5.の「外形もモッテリ」は、いまのモデルが、クッションのコーナーが、かっちりしていて、バルセロナ・パビリオンにある当時の写真をみると、もっと丸みのある感じ。アメリカ時代にミース本人が座っているこの椅子も、もっと丸みのある感じ、その点は、割り引いてもいいかもしれません。

うえで、紹介したリプロダクト製品は、僕が購入したものより、もう少し、いやだいぶよさそうです。(写真の感じから判断して・・。)

でも、いまので、満足しています。一脚一脚に分かれ、並べておけば二人がけソファーにもなるし、結構レイアウトしやすく、使いやすいですよ。

本物は、ノル社製のオリジナル品解説の動画を見つけました。
したの、動画です。フレームの精巧さ、クッション部分のカチッとした感じで、コーナーがシャープ、そして、程よいしんなり感、へたり感、というか、いいですね。


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