LC4 CHAISE LONGUE
エロスを感じる、最もコルビジェらしい椅子だと思う。
前に、コルビジェの椅子がル・コルビュジエ全作品集〈第1巻〉 (1979年)
に出てくるのは、Ville d'Avray1928/29と書いたが、よく見るとその45ぺージほど前の1927年に「家具および住宅の装備」としていページで、LC1とこのLC4 CHAISE LONGUE
が紹介されている。中でもLC4 CHAISE LONGUE
が中心的存在として掲載されているから、コルビジェのお気に入りだったのではなかろうか。
大きく掲載された写真にはLC4 CHAISE LONGUE
の骨組みだけが映し出されている。構造的には単純で、スチールの台に、寝椅子の座面を支えるアールのついたパイプが置かれているだけである。つまり、スチールの台の上のアールのパイプを移動することで寝椅子座面の全体の角度を調整するかたちだ。座面のシートを支えるためにスチールのパイプに数多くのスプリングを取り付け、それに皮バンドを亀甲上に取り付けている。機能的ディティールである、いっぽう、亀甲上のバンドはバタイユのエロスそのものではなかろうか。つまりSMチック!
スケッチも掲載されていて、「さまざまな座り方の研究」とあるが、人物はスカートをはいた女性だ。コルビジェ先生!明らかに女性が寝椅子に横たわる姿を想像させていたのではないのかなー。
ところで、この寝椅子の実用性を考えると、??。角度の調整も全体の角度の調整だけだし、全体のカーブも変える事ができない。つまり同じ体勢で横たわっているしかない。しかも結構大きいと来た。
うーん、そんなセコイことは言いますまい。
この椅子を置くだけで、部屋には、クールなエロスが充満するわけですから。
座る装置ではなく、エロスのオブジェなのだ!!
LC4 CHAISE LONGUE
それでも安い価格で購入と思う方は、リプロダクト品があります。価格によってディティール・精度・材質が違ってきますから慎重に考えてくださいね。
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